太陽と地球が住まいと暮らしをやさしく包む「そらどま」。
地球の恵みの素は 太陽の熱。
その熱は 1億5千万㎞を駆け抜けてきた輻射熱です。
「そらどま」は その輻射熱を住まいに採り入れ“採暖採涼”をします。
太陽の恵み「そら」の熱と 地球の恵み「どま」の熱。
両手両足を精一杯広げて受取る仕組みです。
そして、人と住まいの健康の素「呼吸する家」をつくります。
「そらどまの家」の壁は、呼吸する壁です。
壁の中の柱や梁などが、いつも呼吸できるようにしています。
壁がボードで被われてしまい、呼吸できない状態になっていると、カビや腐食の原因になるからです。
土の温度は、年間を通して冬に最も高くなり、夏に最も低くなります。
これは不思議な自然現象ですが、冬眠をする熊はこのことを本能で知っていますから、穴を掘って冬眠します。そらどまの家では、この自然現象を家の暖房と冷房に取り入れています。
地球上に暮らす私たちは、自然現象の中で生まれ、生き、生をつないでいます。 陽が射し、風が吹き、雨が降り、雪が降る。
気候はいつだって私たちの生活を左右しています。
屋根は雨を受け、壁は風に耐え、庇は夏の日射を遮ります。
古来から伝わる伝統的な日本家屋は、この自然を巧みに取り入れており、現代社会に暮らす私たちに、多くの知恵を授けてくれます。川が近いところや北側には、地窓を付けて冷たい空気を導きます。
太陽は冬低くなり、夏高くなりますので、敷地を読み、家の向きを振ったり 壁面をへこませたりして工夫をします。
外壁にそとん壁を使うと雨を吸って、雨上がりに気化熱を使うので涼しくなる。といった具合に、自然現象はお金がかからないわけですから、冬に太陽が入る家は冬の光熱費が安くなります。そこで、太陽熱や大地からの恵みを、積極的に取り入れていきたいと考えています。
萱葺きの屋根、土壁の家は「夏は涼しく、冬は暖かかった」そんなお年寄りからの言葉が響きます。
南北を大きく移動しない動物たちのほとんどは、冬の寒さから身を守るために竪穴や横穴に入り地球の地熱の加護を受けていたのです。
この温かい地中熱を見出せなかった動物たちは、冬の寒さに負けて土に帰っていったに違いありません。私たちの祖先は越冬にことごとく成功していたのです。
命の神秘です。すぐに電気や石油・ガスで、人工的に熱をつくり自分たちの都合の良い環境を得ようとした結果は、地球の温暖化を急速に加速してしまったのです。本来、人間は愚かさよりも賢さが上回ってきたはずです。
川崎市立日本民家園「旧鈴木邸」2013年9月14日測定
建物の周囲をコンクリートやタイルで覆わないこと、水分が出入りできる吸水性のあるものにすることで、気化熱によって温度上昇を防ぐことができます。それは、夏に涼しい風を室内に呼び込むことになります。
屋根を防水材で覆った現代住宅は、屋根からの日射熱をまともに受けてしまいます。萱葺き屋根の知恵を、現代に活かすには「屋上緑化」がもっとも導入しやすい方法です。木造でも安心して使えるのが30年保証のある「スカイプロムナード」です。
茅の吸湿性が気化熱を、土壁や土間の気化熱を、そして土にはさらに蓄熱力があり、外気温が徐々に上がっていっても室温温度はほとんど変わらりません。逆に、温度が上がるために気化熱が促進され、10時の測定に比べ12時では2℃も下がっていました。不思議なことが起きているのに驚きました。
室内のガス濃度が何らかの原因で上昇すると、壁を抜けて外気に出て行く作用、これが「通気」です。また、室内の湿度が高くなると、湿度の低い外気に向かって水蒸気が出て行く作用、これが「透湿」です。
当然、逆のことも起こります。外部の濃度が上がり、室内の方が濃度が低ければ室内に入ってくることにもなります。都合のいいことばかりではありません。しかし、多くの場合、健康な社会では、外気が健康の基本です。
ここで、もう一つ大切なことがあります。それは、壁や屋根の中の状態です。壁の中や屋根の中は、毎日厳しい温度上昇があり、夜には下降し、放射冷却もあります。また、かんかん照りで温度が100℃を超えるほどに上昇した屋根材は、突然の夕立に襲われることもあります。激しい温度差は、結露現象を起こすことが珍しくありません。こうした壁や屋根の内側の湿気が、乾く仕組みがないとすぐににカビが生じ、腐朽菌も繁殖してしまいます。また、シロアリに襲われる可能性も大きくなります。人間も、建築も健康であるためには、薬剤で防腐するのではなく、「通気」「透湿」する構造を作ることが根本なのです。
高温多湿低温低湿の日本では、冷暖房だけではなく調湿しなければ快適は得られません。大変根本的な課題がここにあるのです。
そらどまの家
数値的にはZEH基準を満たす方向で考えていますが、「空と大地の恩恵」を受け、自然と向き合って調和し、高気密、高断熱、輻射熱、換気、調湿等を兼ね備え、無駄なエネルギーを極力抑えることが可能な 「人と地球に優しい住宅」それが「そらどまの家」なのです。
消費エネルギーを発電でまかない、0エネルギー住宅とすればさらに「地球に優しい家」と言えるでしょう。
スマートハウス
太陽光発電が作る電力や蓄電池にためた電力を「賢く(スマート)」使う住宅のこと。HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を使うのが特徴。
「省エネ・創エネ・畜エネ」の3本柱が基本で電気機器をネットワーク上で管理、リアルタイムで利用状況を把握・コントロールするエネルギー管理システムのこと。
ZEH
ネット・ゼロ・エネルギーハウスのことで、「電力≦創る電力」をさします。消費エネルギーより創るエネルギーの方が多いか、±0となる住宅のこと。国から補助金還付されることもあり注目を集めていますが、数値が良い順で補助金還付者が決定するため必ずしも補助金がもらえるわけではありません。また、ゼロエネルギーを実現するには「太陽光発電」などの発電システムが必須です。断熱性能などの計算は必要とされますが、調湿に関しては考慮されていないのが残念な点です。